Ingredient

シルクとともに115年 SILKBRAINS

Sericin

シルクのチカラの源・セリシン

シルクは見た目が美しく機能的にも優れていることから、古くから衣料素材として愛用されてきましたが、近年は化粧品の分野への応用も進んでいます。特に注目されているのが、シルクのセリシンという成分。製糸工場ではたらく工員さんの手がいつまでもみずみずしく、シミ、シワが少ない艶やかな状態を保っていることから、この成分が注目されるようになり、さまざまな研究を通して新たな有用性の確認が進んでいます。

セリシンとうるおい

セリシンは、保湿性にすぐれた化粧品素材としておなじみの、ヒアルロン酸やコラーゲンと似た成分です。コラーゲンは、加熱分解した後に冷却すると自重の約10倍の保水性があるゼラチン状になります。セリシン水溶液も、放置するとゼラチンと同じゲル状に固まります。化粧品用の保湿剤には水酸基、アミノ基、カルボキシル基など、分子中にたくさんの親水基をもっている物質が利用されますが、セリシンには水酸基がもっとも多く含まれています。

セリシンとメラニン色素

皮膚に日があたると、紫外線によるダメージを防ぐためにシミやそばかすの原因となるメラニン色素が作られます。メラニン色素は、チロシナーゼという酵素のはたらきで生成されるので、チロシナーゼのはたらきを阻害する物質を皮膚に与えれば、日焼けによるシミやそばかすが抑えられます。セリシンは、それ自体が紫外線をカットすることが知られていますが、さらに、チロシナーゼの悪いはたらきも阻害する二重のはたらきが注目されています。

セリシンとフラボノール

近年、オゾン層の破壊によって、地表に照射される紫外線量の増加が問題になっています。日常生活で紫外線を浴びると、活性酸素が皮脂にはたらき、メラニン色素だけでなく皮膚の老化を進めシワをつくる原因となる過酸化脂肪の生成も促進されてしまいます。これらを防ぐ上からも、化粧品の抗酸化機能は重要な役割を担っていますが、セリシン、特に笹繭から抽出したセリシンには、フラボノールをはじめとする抗酸化作用をもつ成分が多く含まれています。

Fibroin

もうひとつのシルクのチカラ・フィブロイン

「食べるシルク」として、食の分野で有用なはたらきを発揮するシルクのもうひとつの成分がフィブロイン。シルクの約4分の3を占めるフィブロインは、人体が自分で作り出せない必須アミノ酸を含む18種類のアミノ酸からできています。最大の特長は、独自のアミノ酸組成。グリシン、アラニン、セリンという3種類のアミノ酸で全体の約80%が構成され、みずみずしく美しい肌のもとになるコラーゲンの主要成分となるアミノ酸をバランスよく含んでいます。添加物を加えない天然の良質なアミノコラーゲンは「食べる化粧品」として、美容業界でも注目されています。

下のグラフはフィブロインでつくったシルクパウダーと、コラーゲンのアミノ酸組成です。主要成分のグリシン他、不思議なほどよく似た成分で構成されています。コラーゲンは分子量が大きく、化粧品で肌から内部に取り入れるのが難しいので、経口摂取できるコラーゲンの素としてシルクパウダーが重宝されています。さらに、うるおい肌をつくる天然保湿因子(NMF)のセリンや、シミを防ぐ医薬品としても認可されているシステインなど、シルクパウダーには美しさに関わる様々なアミノ酸成分が含まれています。

シルクパウダーの組成

毛根の栄養になる成分は海草類の数倍

わたしたちの髪の毛は、一定の周期で生え変わる性質があります。頭皮の皮下組織で分裂した毛母細胞が、上に押し上げられ、やがて髪の毛になり成長していきますが、男性で約4年、女性で約5年前後で休止期を迎えた後、役目を終えて抜け落ちます。このとき、毛母細胞に十分な栄養が行き届いていないと、健康な髪の毛が育たず短期間で脱毛し薄毛の原因となります。健康な人でも1日に100本程度の抜け毛がありますが、毛根が小さく萎縮しているようなら赤信号。髪の毛への栄養補給が必要です。

髪の毛はカルシウムや繊維質で作られていると思われがちですが、その主成分はタンパク質。毛母細胞に欠かせない大切な栄養素もタンパク質です。フィブロインには特に育毛のために摂取したいアミノ酸のプロリン、グルタミン酸、アルギニンが含まれています。その量は、健康な毛髪づくりの定番食品としておなじみの昆布やひじきなどの海草類を上回ります。

※プロリンはひじきやこんぶと同量以上
※グルタミン酸はひじきの2倍以上
※アルギニンはまこんぶの2倍以上

シルク微粉末の育毛成分

※独立行政法人農畜産業振興機構の公表記事から一部引用してご紹介しています。

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